宿題をやっていないのに、「もうやった」と言う。手を洗っていないのに、「洗ってある」と言う。嘘をつくのをやめるよう何度注意しても全然直らず、病気かもしれないと悩んでしまう人が多いです。
この記事では、子どもの嘘に悩まされずに済むよう子どもが嘘をつく理由からパターン別の対処法までまとめて解説します。
この記事を読めば、あなたの子どもが嘘ばかりついてしまう理由と子どもが嘘をついたときの関わり方が分かります。
・嘘をついている自覚がない
・孤独を感じている
・親に構ってもらいたい
・うまく説明できない
・親から自立しようとしている
子どもが嘘をつくのには、何かしらの理由があります。子どもの嘘に悩んでいる人は、最後まで読んでください。
まつい けいすけ(著者)の実績
- ・文系→中学理科の教員採用試験に一発合格
- ・不登校〜難関校志望の生徒対象の塾を経営
- ・毎年150件以上の教育相談に対応
【中学1年生の次男と小学2年生の長女が嘘ばかりつく】40代ママからのご相談

ご相談内容
3人の子どもを持つ40代の母です。次男が中学1年生なのですが、ちょっとしたことですぐ嘘をつきます。宿題をやっていないのにやったと言ったり、スマホで課金してしないと言っていたのに課金していたりといった具合です。
正直に言ってくれても別に怒りはしないのですが、なぜか事あるごとに嘘をつかれてしまいます。私は、親として信頼されていないのでしょうか。
最近は小学2年生の長女も嘘が目立つようになりました。きっと、兄の影響を受けていると思います。
子どもが嘘をつく場合、そこにはどのような心理がはたらいているのでしょうか。対処法もありましたら教えて下さい。
子どもが嘘をつく理由9選
子どもが嘘をつく主な理由をまとめます。タップで各見出しに直接移動できます。
嘘をついている自覚がない
小学校に入学する前までの幼児期の子どもに、よく見られます。
お片付けをしていないのに「やった」と言う。靴をそろえて脱いでいないのに「そろえて脱いだ」と言う。このような嘘です。
幼児期の子どもの場合、どうすれば自分は楽しくなるのだろうという心理が強いです。自分が楽しくなるように行動しようとし、お片付けや靴をそろえて脱ぐことには全く興味がありません。
嘘をつこうとしているのではなく、頭の中が楽しい遊びのことでいっぱいなのです。
>> 嘘をついている自覚がない場合の対処法
夢や物語と現実が混ざってしまう

小学校に入学する前までの幼児期の子どもに、よく見られます。
自分が見た夢や読んだ絵本の内容、その世界観を自分の体験として話すことがあります。
・今日はこびとさんがいたから一緒に遊んだよ
・窓の外にモンスターがいたけどやっつけたんだ
・おばけがいたから魔法で倒したよ
このような嘘ですね。夢や物語と現実が混ざっていることが原因です。
>> 夢や物語と現実が混ざってしまう場合の対処法
子どもが孤独を感じている
子どもがクラスメイトや先生に対して、自分に注目してもらうための嘘をつくパターンです。
孤独を感じていることが原因の可能性があります。
・周りに自分のことを認めてもらいたい
・構ってもらいたい
・すごいと言われたい
このような心理がはたらいています。
友達や先生に対し、「お母さんはアメリカで働いているんだよ」「別荘を持っているよ」などと言って注目を集め、自分の存在をアピールしようとするのが特徴です。
>> 子どもが孤独を感じている場合の対処法
親もよく嘘をついている

子どもは親の影響を強く受けています。
幼い頃からあなたが嘘をついている姿を見て育つと、子どもも嘘をつくようになります。
子どもにとって、親のあなたの姿が正しい姿です。子どもは大人が思っている以上に、親の嘘に気づいています。
あなたが嘘ばかりついていると、子どもも嘘をつくのが当たり前になってしまいます。
>> 親もよく嘘をついている場合の対処法
親の愛情が不足している

親の愛情が不足しているとき、あなたに褒められたい、構ってもらいたいという思いから子どもは嘘をつくようになります。
「今日先生に褒められた」「○○ちゃんにいじめられた」などと嘘をつくことで、褒められたり心配されたりしようとします。
>> 親の愛情が不足している場合の対処法
うまく説明できなくて嘘をつく
小学校1年生〜4年生くらいまでの子どもに、よく見られます。
子どもは、自分の力ではうまく説明できないときに嘘をついてしまうことがあります。
嘘だとすぐバレてしまうのは子どももよく分かっているし、嘘をついたら怒られることも分かっている。しかし、うまく説明できないため嘘をついてしまいます。
>> うまく説明できなくて嘘をつく場合の対処法
子どもが思春期である

思春期の子どもは、親から自立しようとします。
・親と距離を置きたい
・自分の時間や空間を持ちたい
・自分のことは自分で解決したい
このような理由で嘘をつきます。
思春期の子どもの場合、例えば宿題が終わっていないのに「終わった」と嘘をつくことがあります。
嘘をつくことでこれ以上何も言われないようにし、親と距離を置いて自分の時間を作ろうとしているのです。
学校内での人間関係がうまくいっていないときも、ストレスで嘘が多くなります。
>> 子どもが思春期の場合の対処法
自分の身を守ろうとして嘘をつく

子どもは、自分の身を守るために嘘をついてしまうこともあります。
親が厳しくてすぐに激しく怒られる環境で育つと、自分の身を守るためにとっさに嘘をついてしまいます。
子どもが育った環境によっては、
・良い子でいたい
・親の信頼に応えたい
・親に迷惑をかけたくない
>> 自分の身を守ろうとして嘘をつく場合の対処法
演技性パーソナリティ障害や虚偽性障害
嘘ばかりついてしまう子どもの中には、障害が見られるケースもあります。
主な障害が、演技性パーソナリティ障害と虚偽性障害です。
演技性パーソナリティ障害
日常的に嘘をつき、相手に関心を持ってもらおうとする障害です。
愛情不足の子どもや、幼児期から嘘をつかないと身の危険を感じる環境で過ごした子どもに多く見られます。
自分で抑えることができず、嘘をつかないと不安でパニックになってしまうこともあります。
虚偽性障害
構ってもらうために、仮病を使ってしまう障害です。
治っているのに怪我したところが痛いと訴えたり、わざと体温計を温めて熱があるように見せたりしてしまいます。
わざと怪我をして心配されようとすることもあり、注意が必要です。
>> 演技性パーソナリティ障害や虚偽性障害の場合の対処法
【パターン別】子どもが嘘ばかりつくときの対処法

嘘をつく子どもに対する接し方や叱り方についてまとめます。タップで各見出しに直接移動できます。
嘘をついている自覚がない場合
子どもに悪気は全くありません。きつく叱りつけるのではなく子どもが関心を持つような声かけをしましょう。
・お人形さんがお家に入りたいって悲しんでいるよ。優しい◯◯ちゃんなら、先にお片付けできるかな。
・お靴がお友達と離ればなれで泣いているよ。お友達と一緒に並べてあげよう。
・パジャマがくしゃくしゃでかわいそうだな。ママみたいに畳んであげると、パジャマも痛くないからハッピーだよ。
このような声かけをすれば、叱らずに片付けさせることができますね。
幼児期の子どもはママが大好きです。「ママと一緒に〇〇をしましょう」と言って、先にあなたが行動しながら一緒にやるのも非常に効果的です。
もちろん、きちんとできたらしっかり褒めましょう。褒めることで、片付けなどを率先してやれるようになっていきます。
親子の考え方の違いが、嘘ばかりついていると悩む原因になっています。
でも、大丈夫。幼児期の子どもはそういうものです。安心してください。
夢や物語と現実が混ざってしまう場合
子どもに悪気は全くありません。成長するにつれて自然と嘘の体験話はしなくなるので、心配しなくて大丈夫です。
幼児期の嘘の体験話は、小中学生になったときの考える力につながります。子どもの話に耳を傾け、びっくりしたり喜んだりしてあげましょう。
大きなリアクションを取ってあげた方が良いですよ。いろいろな嘘の体験話をするようになり、子どもの想像力が広がります。
子どもが孤独を感じている場合
友達との人間関係が、うまくいっていない可能性が高いです。
子どもが他人の前で注目してもらうための嘘をついていたら、嘘では本当の友達を作ることができないこと、人から信用されなくなり周りの人がどんどん遠ざかってしまうことを教えてあげましょう。
孤独が原因で嘘をついてしまうので、厳しく叱りつけてはいけません。ゆっくりとした口調でていねいに、そして真面目な雰囲気で注意しましょう。あなたが子どもの味方だと、子どもに理解させることができます。
・お母さんはアメリカで働いているんだ
・別荘を持っているんだよ
・親が社長だから何でも買ってもらえるんだ
友達や先生に構ってもらいたくてこのような嘘をつく子どもには、学習障害(LD)や 注意欠陥・多動性障害(ADHD)が見られることも多いです。
このタイプの子どもは友達と人間関係を作るのが苦手なので、嘘をついて注目を集めようとします。
しかし、周りの友達はそれが嘘であることに気づいています。友達からどんどん避けられるようになるので、ますます孤独になってしまいます。
①友だちがなかなかできない
②嘘をついてアピールする
③周りの子が自分を避けていく
④嘘がヒートアップする
悪循環ですね。
最終的には、友達にお金や物を渡すことで構ってもらおうと考える子どももいるので、早めの対策が必要です。友達関係で苦労している場合は、学校の先生にも相談しましょう。学校と家庭で協力して対応していく必要があります。
親もよく嘘をついている場合
子どもが嘘をついたら、嘘は良くないとしっかり注意しましょう。しかし、今の状態で子どもを叱っても効果は薄いです。
「お母さんも嘘をついているのに、なんで自分は嘘をついたらだめなの?」
子どものこの疑問が解消されないと、不満がたまるだけだからです。
子どもを注意したときに、お母さんも嘘をついているのになぜ自分は嘘をついたらだめなのか聞かれた場合
まずは素直に謝りましょう。
・ごめんね。確かにお母さんも嘘をついていたから、それは良くなかったね。次から気をつける。
・お母さんが嘘をついていると、自分も嘘をついて良いと考えちゃうよね。お母さんも悪かった。ごめんね。
・それはお母さんも悪かったね。良くないことを教えちゃったね。反省する。ごめんね。
【謝るときのポイント】
①言い訳をしない
②自分も悪かったという言い方にする
謝るときに、言い訳をしてはいけません。
子どもが言い訳をしたら気になりますよね。同じです。素直に自分も悪かったと認めましょう。
自分が悪かったという言い方だと、子どもは親が全て悪かったんだと思ってしまいます。自分も悪かったという言い方にすれば、「親子2人で嘘をつかないよう気をつけよう」という方向に話をもっていけます。
子どもを注意したときに、お母さんも嘘をついているのになぜ自分は嘘をついたらだめなのか聞かれなかった場合
なぜ自分は嘘をついたらだめなのか聞かれなかった場合でも、子どもの心の中には「なんで自分ばかり……」とモヤモヤが残ってしまいます。
謝る必要はありません。
「お母さんも嘘はつかないようにするから、2人で嘘をつかないように気をつけよう。〇〇ちゃんが嘘をついたらお母さんが注意するから、お母さんが嘘をついたらお母さんを注意してね。」
この声かけをすれば、子どもの信頼を得ることができます。
あなたが嘘をついて子どもに指摘されたら、しっかりと謝って反省しなければだめですよ。子どもにとって、親のあなたの姿が正しい姿。子どもに変わってほしいのなら、まずは自分が変わらなければなりません。
あなたには自分が嘘をついているという心当たりがあるはずです。あなたが意識をすることにより、子どもの姿も少しずつ変化するようになります。
本当の正解の姿を見せてあげましょう。
親の愛情が不足している場合
このタイプの子どもに対しては、普段から子どもをしっかり褒めたり叱ったりすることが大切です。
嘘をついたときも、しっかり叱りましょう。怒鳴るのではなく、真剣に注意するイメージです。
良いことをしたら褒めて悪いことをしたら叱る。これにより、子どもは親が自分を見てくれていると思うようになります。
子どものほんの少しの成長や良いところに注目し、努力や成長、良いところを具体的に褒めてあげましょう。
良くない例
・テストで100点取ってえらいね
・徒競走すごく速かったね
・(野球の試合で)3本もヒット打ってかっこよかったね
良い例
・テストに向けて一生懸命頑張っていたもんね
・徒競走の練習を頑張った成果が出たのかな
・(野球の試合で)ヒットを打てなかったときでも最後まで一生懸命走るのが立派だったよ
両親が共働きで子どもと関わる時間が少ない場合や、「これくらいはできて当然」と考えてなかなか褒められずに育った子どもによく見られる嘘です。
子どもは、あなたにもっと自分のことを見てほしいと思っています。
・子どもの話を聞く時間を取る
・子どもに話しかける
・子どもを褒める
・子どもを叱る
・子どもと出かけたり遊んだりする
子どもとの時間を大切にしてあげましょう。
うまく説明ができなくて嘘をつく場合
子どもが嘘をついたとき、話を聞かないですぐに叱ってしまってはいけません。子どもの話を最後まで聞くようにしましょう。
子どもが言葉に詰まってしまったときは、「いつ◯◯になったのかな?」「どこで〇〇したの?」などと声をかけます。子どもの話を丁寧に最後まで聞こうとすると、少しずつ本当の話をし始めることもあります。
最後まで話を聞いたうえで、嘘をついてはいけないことを教えてあげましょう。
このタイプの嘘は何度も繰り返されます。その都度嘘をつくのはいけないと教え続けると、年齢を重ねていくにつれ少しずつ改善されます。根気強く話を聞き、注意しましょう。
子どもが思春期の場合
子どもが思春期の場合、隠し事をするのが普通だという認識を持ちましょう。この心構えがあるだけで、自分の子育てが間違っているのではないかと過度に心配しなくて済みます。
その上で、許されないレベルの嘘をついたときはきちんと叱るようにしましょう。
・宿題をやっていないのにやったと言い、宿題をせず学校に行く
・スマホのゲーム課金などを無断で行い、課金していないと言う
・塾に行くふりをしてサボっていたのに、塾に行ってきたふりをする
このような嘘は、しっかりと叱る必要があります。それは許されない行為だと、注意してあげましょう。
人間関係の悩みが原因で嘘をつく場合は、子どもに疲れが見えることが多いです。
「疲れているみたいだね。困っていることがあったら相談して構わないよ。お母さんは味方だから。」
このような声かけをしましょう。
「うるさい」「関係ない」などと言って反抗するかもしれませんが、親から声をかけられるだけで、子どもの心はだいぶ楽になります。
親から自立しようとする思春期の子どもですが、同じように依存もしています。あなたが味方だと伝えてあげましょう。
子どもの嘘が人間関係のストレスによるメッセージの場合、叱りつけても心を閉ざすだけで効果がありません。ぜひ、あなたという味方がいることを教えてあげて下さい。
自分の身を守ろうとして嘘をつく場合
普段の子どもとの関わり方を振り返りましょう。子どもが嘘をつかなければならないほど、厳しく接していませんか。
心当たりがある場合は、普段の子どもとの接し方を変える必要があります。あなたの大切な子どもが、あなたにおびえて嘘をついています。今日、今この瞬間からあなたの態度を改めましょう。
普段より優しく、普段より穏やかに、普段より笑顔で接する。これを実行できれば、少しずつ子どもの心は開いていきます。
あなたが厳しすぎて嘘をつく場合は、嘘をつくのは良くないと教えてあげれば問題ありません。子どもは嘘をつけば叱られないと学習してしまうと、どんどん嘘をつくようになります。
厳しく叱りつけてはいけません。嘘をつくのはいけないことだと教えてあげれば大丈夫です。
心当たりがない場合は、良い子でいたい、あなたの信頼に応えたいという心理がはたらいている可能性があります。
・良い子にしているときだけ褒められる
・「〇〇ちゃんは頑張ってくれるもんね」などのプレッシャーを与える声かけが多い
・子どもの目の前で、他の子どもをよく褒める
心当たりがある場合は、普段の子どもとの接し方を変えましょう。ありのままの子どもの姿を認め、努力の過程やちょっとした成長を褒めるようにします。
この場合も、厳しく叱りつけてはいけません。嘘をつくのはいけないことだと教えてあげれば大丈夫です。
演技性パーソナリティ障害や虚偽性障害の場合
愛情不足やトラウマが原因のことが多いため、心療内科や精神科がある病院に行きましょう。医師の診察やカウンセリングを受けることで、少しずつ改善していきます。
家庭環境の影響が大きいため、子どもと過ごす時間や接し方を変えるのも大切です。
・子どもと関わる時間を1日1時間増やす
・子どもの努力やちょっとした成長を褒める
・疲れていることを言い訳に子どもに八つ当たりしない
・家にいるときにイライラした態度で過ごさない
・子どもの趣味に興味を持ち、子どもの趣味について好意的に話しかける
子どもが安心できる家庭環境を整えましょう。
まとめ

子どもが嘘をつくのは自然です。しかし、年齢や子どもの心理状態によって嘘をつく原因や対処法が大きく変わります。
子どもが嘘ばかりつく場合、
・注目を集めるため
・現実から目を背けるため
・自分の心を守るため
いきなり叱りつけるのではなく、子どもが嘘をつく理由を考えた上で対処しましょう。
今日注意したから明日から嘘をつかなくなる。これは絶対にありえません。長期的な目線で、子どもと関わりましょう。
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