【指導歴13年のプロが完全解説】不登校の原因7選!子どもの心理とパターン別の対応

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・子どもが急に学校に行くのを渋るようになって……

・子どもが学校を休みたがるけど原因がよく分からなくて不安

・不登校の原因についてなるべく詳しく知りたい

子どもが学校に行くのを渋るようになったけど、本人に聞いても原因がよく分からず悩んでしまう人が多いです。

そこでこの記事では、問い詰めなくても子どもの心の内側が理解できるよう、学年別のよくある不登校の原因から子どもへの接し方のポイントまでまとめて解説します

この記事を読めば、子どもが不登校になる原因と具体的な対処法、不登校に関する相談先が分かります

結論を言ってしまうと、不登校の子どもは自分が不登校になった原因を平均7.5個挙げています。不登校になる原因は1つとは限らず複雑に絡み合っているので、学校を休もうとする理由を尋ねても明確に答えられない子どもが多いです。

子どもが学校に行きたがらずどうしたら良いか悩んでいる人や、子どもが不登校だけど原因が分からず対応に困っている人は最後まで読んでください。

不登校の原因に関する子ども・保護者・先生へのアンケート調査の結果」が気になる人は、以下から読むのがおすすめです。
>> 【まとめ】不登校のきっかけに関するアンケート調査

まつい けいすけ(著者)の実績
・文系から中学理科の教員採用試験に一発合格

・不登校〜難関校志望の小中学生用の塾を経営

・毎年150件以上の教育相談に対応

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目次

  1. 【不登校の原因にはどんな種類があるか知りたい】40代ママからのご相談
  2. 子どもが不登校になる原因は1つとは限らない
    1. 【平均7.5個】不登校の子どもが考える自分が不登校になった原因
    2. 【平均7.2個】保護者が考える我が子が不登校になった原因
    3. 【平均2.8個】先生が考えるその児童生徒が不登校になった原因
  3. 不登校のタイプと主な原因7選
    1. 無気力型の不登校
    2. 遊び・非行型の不登校
    3. 不安など情緒的混乱型の不登校
    4. 学校生活上の影響型の不登校
    5. 意図的な拒否型の不登校
    6. 発達障害による不登校
    7. 複合型の不登校
  4. 【学年別の特徴を解説】小学生の不登校の原因と未然に防ぐ方法
    1. 小学校低学年ならではの不登校と未然に防ぐ方法
    2. 小学校中学年ならではの不登校と未然に防ぐ方法
    3. 小学校高学年ならではの不登校と未然に防ぐ方法
  5. 【学年別の特徴を解説】中学生の不登校の原因と未然に防ぐ方法
    1. 中学校1年生によくある不登校と未然に防ぐ方法
    2. 中学校2年生によくある不登校と未然に防ぐ方法
    3. 中学校3年生によくある不登校と未然に防ぐ方法
  6. 不登校の3つの状態と子どもへの接し方のポイント
    1. 【不登校初期】学校に行くのを激しく拒否
    2. 【不登校中期】落ち着いているけど無気力
    3. 【不登校後期】積極性や行動力が見られる時期
  7. 子どもが不登校になったとき親にできること4選
    1. 睡眠時間の管理をする
    2. 子どもとの会話を増やす
    3. 子どもが1人でゆっくりできる環境を作る
    4. 子どもが精神的に落ち着いている場合は勉強の時間を設ける
  8. 不登校の子どもを支援するサービス3選
    1. 不登校の出席扱い制度とは学校に行かなくても出席になる仕組み
    2. 教育支援センターのメリット・デメリット
    3. フリースクールのメリット・デメリット
    4. 不登校専門のオンライン塾のメリット・デメリット
  9. 子どもの不登校について相談できる専門機関4選
    1. 不登校支援センター
    2. ひきこもり地域支援センター
    3. 教育支援センター
    4. 子育て相談ドットコム
  10. 【不登校でも高校受験はできる】高校の種類別メリット・デメリット
    1. 通信制高校のメリット・デメリット
    2. 定時制高校のメリット・デメリット
    3. 全日制高校のメリット・デメリット
  11. 【文部科学省のデータを紹介】不登校による受験や就職でのリスク
    1. 不登校の子どもが進学・中退した割合
    2. 【不登校経験者の71.7%】アルバイトやパートとして就職
  12. まとめ

【不登校の原因にはどんな種類があるか知りたい】40代ママからのご相談


ご相談内容
今日は、夜も眠れないほど悩んでいることを、思い切って相談させていただきたいと思います。

中学2年生の娘のことです。昨夜も娘の寝顔を見ながら、涙が止まりませんでした。娘が、2ヶ月前から突然「学校に行きたくない」と言い出したのです。

変化に気づいたのは、9月頭の文化祭の準備が始まった頃からでした。ある日を境に朝の様子が一変。「頭が痛い」「吐き気がする」と訴え、布団から出ようとしなくなりました。思い出すたびに、胸が締め付けられます。

「どうしたの?」と聞くと、娘は「わからない...」と。それ以上追及すると突然泣きじゃくり、私の心も千切れそうになりました。学校に確認すると「教室では特に変わった様子はない」と。でも、下校時刻になると保健室で横になっていることが増えたそうです。

受験を意識し始めて重圧を感じているのでしょうか。友達関係でしょうか。

今はまだなんとか学校に行けていますが、毎朝、制服を着る娘の表情を見るのが怖くなりました。「今日は行ける?」と聞く自分の声が、プレッシャーになっていないだろうか。「無理しなくていいよ」と言うと、逆に自己嫌悪を助長させていないだろうか。正直、この2ヶ月で私も10キロ近く痩せてしまいました。

学校のスクールカウンセラーには相談してみましたが、娘が拒否的で...。部活にも行かなくなり、このまま引きこもってしまうのではと思うと、不安で夜も眠れません。でも、焦って追い詰めてしまうのも怖いんです。

主人は単身赴任中で、平日は私しかいません。誰にも本当の気持ちを話せず、一人で抱え込んでいます。この文章を書きながら、また涙が止まりません。でも、このままではいけないと思い、勇気を出して相談させていただきました。

とにかく不登校の原因について詳しく知りたいです。また、今親として何をすべきか、どうか教えていただけないでしょうか。

長々と取り留めもない文章になってしまい、申し訳ありません。どんな小さなヒントでも構いませんので、今後の参考にしたいと思います。一晩中考えて書いた文章です。どうぞよろしくお願いいたします。

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子どもが不登校になる原因は1つとは限らない


不登校の子ども・保護者・先生が選ぶ不登校の原因トップ3.png

ほとんどの場合、小中学生の子どもが不登校になるきっかけは1つではありません。2024年に発表された、不登校のきっかけについての調査結果で明らかになりました。

>> 文部科学省委託事業不登校の要因分析に関する調査研究報告書

不登校の児童生徒とその保護者、そして不登校の児童生徒を受け持つ先生に対して、不登校のきっかけになったと思うものを全て選択してもらうアンケート調査です。

アンケート結果をまとめます。タップで各見出しに直接移動できます。

【平均7.5個】不登校の子どもが考える自分が不登校になった原因


不登校になった子どもは、自分が不登校になったきっかけとして平均7.5個の原因を挙げています。

【不登校の小中学生が選ぶ不登校のきっかけTOP10】
1位不安・抑うつ76.5%
2位居眠り、朝起きられない、夜眠れない70.3%
3位体調不良68.9%
4位宿題ができない50.0%
5位授業が分からない47.0%
6位ゲーム・スマホへの依存42.3%
7位声や音がうるさい、嫌なにおい40.3%
8位制服、給食、行事などへの不適応38.6%
9位成績の低下37.9%
10位先生と合わなかった35.9%
*23個の選択肢から該当するものを全て選ぶ形式のアンケート調査

>> 【アンケート調査まとめ】「不登校のきっかけ」と学校復帰に本当に効果的だったことTOP5

【平均7.2個】保護者が考える我が子が不登校になった原因


保護者は、子どもが不登校になったきっかけだと思うものとして平均7.2個の原因を挙げています。

【保護者が考える我が子の不登校のきっかけTOP10】
1位不安・抑うつ78.4%
2位体調不良76.5%
3位居眠り、朝起きられない、夜眠れない74.7%
4位先生と合わなかった44.7%
5位声や音がうるさい、嫌なにおい38.9%
6位宿題ができない37.7%
7位制服、給食、行事などへの不適応37.6%
8位授業が分からない35.9%
9位入学、進級、転校など32.5%
10位いじめ以外の友人関係のトラブル31.4%
*23個の選択肢から該当するものを全て選ぶ形式のアンケート調査

>> 【アンケート調査まとめ】「不登校のきっかけ」と学校復帰に本当に効果的だったことTOP5

子どもが選んだきっかけとトップ10が異なっていますね。思い違いが原因で、子どもがさらに傷つくこともあります。先入観にとらわれないように気をつけましょう。

【平均2.8個】先生が考えるその児童生徒が不登校になった原因


先生は、その生徒が不登校になったきっかけだと思うものとして、平均2.8個の原因を挙げています。

【先生が考えるその児童生徒の不登校のきっかけTOP10】
1位授業が分からない41.2%
2位宿題ができない40.5%
3位制服、給食、行事などへの不適応23.2%
4位不安・抑うつ19.0%
5位体調不良18.5%
6位いじめ以外の友人関係のトラブル16.6%
7位仲の良い友達がいない15.0%
8位声や音がうるさい、嫌なにおい14.1%
9位親子の関わり方13.7%
10位成績の低下12.9%
*24個の選択肢から該当するものを全て選ぶ形式のアンケート調査
*教師用のアンケートは、子ども用・保護者用のアンケートと一部質問が異なる

>> 【アンケート調査まとめ】「不登校のきっかけ」と学校復帰に本当に効果的だったことTOP5

子どもや保護者が選んだきっかけと、先生が選んだきっかけは大きく異なります。

先生は学校にいるときの子どもの姿しか分かりません。学校の先生に対応を丸投げするのではなく、学校の先生と連携して対応するようにしましょう

不登校の専門機関と連携するのも、非常に効果的です。

>> 不登校の子どもを支援するサービス3選を先に見てみる
>> 子どもの不登校について相談できる専門機関4選を先に見てみる
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不登校のタイプと主な原因7選


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不登校のきっかけで最も大きな原因だったものをまとめると、不登校は7つに分類可能です。

令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の87ページ〜のデータをもとに、不登校の7つのタイプについて解説します。タップで各見出しに直接移動できます。

無気力型の不登校


令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果によると、現在最も多いのが無気力型の不登校です。

・自分の趣味以外に何も興味を示さない

・一日中ゲームばかりしている

・いつもだるそうでやる気が全くない

家でこのような様子が見られる場合、無気力型の不登校でしょう。

無気力型の不登校の特徴

無気力型の不登校の場合、子どもは学校生活や友達関係に悩みやストレスを抱えていません

悩みやストレスで学校に行けないのではなく、学校に行こうという意欲がない状態です。学校の友達と会うことに苦痛を感じていないため、友達が遊びに来れば普通に遊ぶこともあります。

登校刺激を与えると学校に行くこともあるが長続きしない

無気力型の不登校の子どもに対して学校に行くよう強く促すと、学校へ行くことがあります。

学校に対する不安や悩みが特にないからです。

しかし、「学校へ行こう」という思いが弱いので、数日から数週間で再び不登校になることが多いです。

子どもが無気力になる原因

無気力型の不登校になる主な原因は、
・子どもが成長していく過程で、必要な経験が十分にできていない

・自分自身に対する自信のなさ

・自分の存在価値が分からない
ことです。

具体的には、
・遊びや体験の不足による好奇心の少なさ

・過去の失敗体験からくる自信のなさ

・努力しても報われなかった経験

・兄弟や他人との比較による劣等感

・自分はダメな人間だという思い込み

・親に認められる経験の不足
などが挙げられます。

無気力型の不登校の子どもに対する接し方のポイント

無気力型の不登校の子どもをただ見守っているだけでは、問題は解決しません。子どもとの関わり方を変えるとともに、子どもの良いところを積極的に褒めるようにしましょう。

悪い声かけの例

・いつまで何もしないでいるの?

・このままじゃダメでしょ!

・近所の人から大丈夫か心配されちゃうよ

良い声かけの例

・ちょっと買い物手伝ってくれない?

・ご飯を食べに行こう

・この前の〇〇面白かったね

接し方のポイント

・批判や評価を控える

・他人と比較しない

・本人の生活リズムを受け入れる

・趣味や好きなことを認める

・簡単なお手伝いをさせる

現在、子どもは日常生活に刺激を感じていません。子どもを外に連れ出して遊びや買い物、運動をさせるための声かけが効果的です。

家事を手伝ってもらったり、家庭内の役割*をもたせたりするのも良いですね。子どもの生活に活気やメリハリがつきます。
*「犬の散歩は子どもの仕事」などの家庭内のルール作り

>> 【144個の具体例を紹介】不登校の子どもが前向きになる良い声かけと悪い声かけ

遊び・非行型の不登校


・悪い友達とグループを作り、学校に通わない

・夕方から夜にフラフラと外出する

・反抗的な態度が目立つ

・夜ふかしが続き、昼夜逆転生活をしている

・SNSやゲームに没頭している

家でこのような様子が見られる場合、遊び・非行型の不登校でしょう。

遊び・非行型の不登校の特徴

遊び・非行型の不登校は、近年特に小学生に増えている不登校です。

【不登校の子どものうち、遊び・非行が主な原因の子どもの割合】
小学生中学生
2011年度1.3%11.6%
2016年度0.9%6.0%
2022年度12.6%10.7%
>> 平成23年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果
>> 平成28年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果
>> 令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果

初めは遅刻を繰り返したり、無断欠席をしたりするところから始まることが多いです。思春期の小学校高学年から中学生の子どもに、よく見られます。

勉強がとても苦手

遊び・非行型の不登校の子どもの多くは、勉強がとても苦手です。

学校の授業についていけず、自分に対する劣等感や諦めの気持ちから問題行動を起こすこともあります。

遊び・非行型の不登校になる原因

・親が子どもとあまり関わらない

・親のしつけが厳しい

・家に子どもの居場所がない

・達成感や自己肯定感が低い

・「どうせ自分は……」という自己否定感

・勉強ができないことによる劣等感

・兄弟や他人との比較による劣等感

・「誰も自分のことを分かってくれない」という孤立感

遊び・非行型の不登校の子どもに対する接し方のポイント

遊び・非行型の不登校の子どもには、「自分を見てもらいたい」「構ってもらいたい」という心理が働いていることが多いです。悪いことをしたらきちんと叱るのと同時に、子どもの変化を信じて愛情表現を忘れないようにしましょう。

悪い声かけの例

・本当にダメな子だね

・信じられない!こんな子どもに育てたつもりはない

・なんでこんなことばかりするの?

良い声かけの例

・あなたのことが大切だから心配している

・あなたのことを信じているよ

・一緒に解決策を考えよう

接し方のポイント

・批判や評価を控える

・子どもの話に耳を傾ける

・悪いことをしたらきちんと叱る

・学校だけでなく少年サポートセンターや児童相談所*と連携する

・一貫した態度で接する

・愛情表現を心がける
*少年サポートセンターは、警察や市が運営する青少年に関する相談窓口で、非行の初期段階で必要な助言や指導、他の公的機関の紹介などを行う専門機関
*児童相談所は、18歳未満の子どもに関するあらゆる問題について相談に応じる専門機関

>> 【144個の具体例を紹介】不登校の子どもが前向きになる良い声かけと悪い声かけ

不安など情緒的混乱型の不登校


・朝になると「気持ち悪い」「頭が痛い」と訴える

・食欲があまりない

・手足の震えが見られる

・寝付きが悪く夜中に目が覚める

・特定の曜日や授業があるときだけ休みたがる

家でこのような様子が見られる場合、不安など情緒的混乱型の不登校でしょう。

不安など情緒的混乱型の不登校の特徴

不安など情緒的混乱型の子どもは、前日の夜は「明日は学校に行く」と言って準備をします。

しかし、当日の朝になると布団から出ずにずっと寝ていたり、腹痛や頭痛を訴えたりして学校に行けなくなることが多いです。

情緒不安定のピークは登校時間の前後。無理に学校へ行かせようとすると、騒いだり暴れたりすることもあります。登校時間が過ぎ、昼過ぎくらいまでは体調不良で病人のような状態です。

下校時刻が近づくと、再び情緒不安定になることもあり、部屋に引きこもることもあるでしょう。夕方から夜にかけて落ち着き、情緒不安定な様子は見られなくなります

休日は精神的に安定しており、自ら外出することもできます。

あなたが「学校へ行きなさい」と言わない限り、親子関係は良好です。学校へ行くよう強く促すと、不機嫌になったり黙り込んだりする様子が見られます。

子どもが心の中で感じていること

・学校に行くと何か悪いことが起きそう

・みんなが自分を見ている気がする

・授業についていけない

・友達と話すのが怖い

・先生に質問されるのが怖い

・あの先生は怖いから緊張する

・失敗したら絶対に笑われる

不安など情緒的混乱型の子どもは、学校へ行こうという意欲はあります。しかし、「学校」に対して強い不安があるので行きたくても行けない状態です。

「学校」に対する強い不安や休むことへの罪悪感があるため、クラスメイトや友達と会うことを非常に嫌がります。

家に友達が訪ねてきても、「家にいないって言って」「今調子悪いから会えないって言って」などと言って会おうとしないことが多いです。

不安など情緒的混乱型の不登校になる原因

不安など情緒的混乱型の不登校になる主な原因は、次の3つです。

勉強面での不安

・テストや成績に対する過度なプレッシャー

・授業についていけないことに対する不安

・受験に対する不安

・発表しなければならないことへの恐怖

・質問されても答えられないのではないかという不安

対人関係での不安

・いじめっ子の存在

・先生や先生とのコミュニケーションへの恐怖

・グループ活動にうまく参加できない不安

・友達がいない、友だちができない不安

環境の変化による不安

・小学校から中学校への進学(中1ギャップ)

・学校にいる間母親に会えないことへの不安

・両親の不仲や離婚、引っ越し、親子関係の急激な変化などによる不安

不安など情緒的混乱型の不登校の子どもに対する接し方のポイント

焦らない、急がせない、子どもの気持ちに寄り添う。これがキーワードです。

悪い声かけの例

・頑張って学校に行きなさい

・みんな行っているよ

・どうして行けないの?

良い声かけの例

・今日の調子はどう?

・無理しなくていいんだよ

・一緒に考えていこう

接し方のポイント

・起きる時間と寝る時間は、学校に行くときと同じにする

・食事は決まった時間に取るようにする

・不安が取り除かれるまでは、登校を強要しない

・家族で「楽しい時間」を作る

・趣味に打ち込める環境を作る

・スクールカウンセラーを活用する

・放課後の学校見学や30分間の保健室登校など、小さな目標を親子で設定する

一つひとつの小さな変化を大切に、子どものペースで進んでいきましょう。両親の不仲や離婚、引っ越し、親子関係の急激な変化などが原因の場合は、家族全員が心穏やかに過ごせる状態を作る必要があります

>> 【144個の具体例を紹介】不登校の子どもが前向きになる良い声かけと悪い声かけ

学校生活上の影響型の不登校


・いじめや嫌がらせを受けている

・授業に全然ついていけない

・いじめられてはいないけど、友達とうまくいかない

このような様子が見られる場合、学校生活上の影響型の不登校でしょう。

学校生活上の影響型の不登校の特徴

学校生活上の影響型の不登校の場合、不登校になる前に
・学校の話題を避ける

・よく持ち物がなくなる

・よく持ち物が壊れる

・遅刻や早退が増える

・保健室に行くことが増える
といった様子がよく見られます。

原因特徴
いじめや人間関係の悪化など問題が解決すれば再登校できる可能性が高い
勉強の遅れなど不登校が長期化することが多い

学校生活上の影響型の不登校になる原因

学校生活上の影響型の不登校になる主な原因は、次の3つです。

対人関係の問題

・いじめや仲間はずれ

・友達関係や恋愛関係のこじれ

・SNSの炎上や画像の拡散などのトラブル

・先生との人間関係の悪化

勉強面での問題

・学校の授業についていけない

・宿題の量が負担になっている

・定期テストで点数が取れない

学校やクラス、部活の環境の問題

・クラス替えで友達と離れ離れになった

・校則や学校のルールに適応できない

・教室の雰囲気に耐えられない

学校生活上の影響型の不登校の子どもに対する接し方のポイント

学校生活上の影響型の不登校の場合は、学校との連携が大切です。

子どもが「学校生活における特定の問題を避けたい」と思っているからです。不登校の原因となる問題を解決することが大切であり、学校と連携して素早く対処することが求められます

悪い声かけの例

・頑張れば大丈夫だよ

・気にしすぎだよ

・あなたが我慢すれば済む問題でしょ

良い声かけの例

・お母さんはあなたの味方だから、一緒に解決策を考えよう

・すぐに気がつかなくてごめんね

・何とか解決したいから、具体的に何に困っているか教えてもらえる?

接し方のポイント

・子どもの訴えを真剣に聴く

・解決を急がず子どものペースを尊重する

・いじめや仲間はずれの問題に親がズカズカ入りこまない

・自分が学校との相談窓口になるイメージを持つ

ネットいじめの場合は、匿名性が高いためいじめの発見や加害者の特定が難しいです。
*ネットいじめとは、LINEでの仲間はずれ、SNSに顔写真を勝手にアップロードする、容姿や性格を誹謗中傷する書き込み、本人になりすましてコメントを投稿するなどのインターネット上のいじめのこと

ネットいじめは、近年急増しています。アップロードされた写真や投稿の削除やアカウントの削除などは、学校だけでは対応しきれません

【年度別ネットいじめの発生件数】
児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果概要参照.png
児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(令和2年度〜4年度)を参考に著者が作成

普段からネットいじめ対策をすると共に、ネットいじめの被害にあったときの相談先や対処法を把握しておきましょう。

>> ネットいじめを含むネットトラブルの詳細と対策
>> 【144個の具体例を紹介】不登校の子どもが前向きになる良い声かけと悪い声かけ

意図的な拒否型の不登校


・学校に行く意味が分からない

・学校という仕組みが合わない

・学校に行ってもメリットがない

明確な意思を持って登校を拒否する場合、意図的な拒否型の不登校でしょう。

意図的な拒否型の不登校の特徴

意図的な拒否型の不登校は、単なる反抗や怠けとは異なります。自分に主張があり、学校に行かない理由を明確に説明できるのが特徴です。

学校に行くことに対して意味や価値を感じていないので、とても強い意志を持って学校に行くことを拒否しようとします。まずは、子どもなりの価値観が不登校の背景にあることを理解しましょう。

意図的な拒否型の不登校になる原因

・独自の価値観や世界観がある

・自分のやりたいことや夢を叶えたいという強い気持ちがある

・「みんな同じ」を良しとする教育に違和感がある

・勉強内容と自分の興味関心が合っていない

・社会の仕組みに対する批判的な考えがある

意図的な拒否型の不登校の子どもに対する接し方のポイント

意図的な拒否型の不登校の子どもは、自分の中に明確な主張があります。子どもと信頼関係を作ったうえで、真剣に話し合うことが重要です。

悪い声かけの例

・そんな考えは甘いよ!

・将来困るのはあなただよ

・社会に出たらそんなの通用しない

良い声かけの例

・その考えをもっと詳しく聞かせて

・あなたにとって理想の学校はどんな感じなの?

・一緒に選択肢を探っていこうか

接し方のポイント

・子どもの意見を尊重する

・批判や否定を控える

・子どもと一緒になって考える姿勢を見せる

・押し付けではなく提案をする

・決定権を子どもに持たせ、失敗は学びの機会だと考える

学校に行かないという強い意志があるので、子どもの考えが変わらない限り再登校は難しいです。無理やり学校に通わせようとしてはいけません。

固定概念を捨て、進路選択に向けた情報収集や必要な資格の確認など、将来を見据えたサポートを考えましょう

途中で子どもの考えが変わって学校に行くことに前向きになった場合は、「自分がその方が良いと考えたんだから、行ってみればいいと思うよ」と背中を押してあげればOKです。

>> 【144個の具体例を紹介】不登校の子どもが前向きになる良い声かけと悪い声かけ

発達障害による不登校


自閉スペクトラム症(ASD)や学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの発達障害のある子どもは、不登校のリスクが高いです。

分かったこと引用元の論文・会議名
2002年中学校に通う学習障害の子ども
の59.5%が不登校
心身の不適応行動の背景にある発達障害
2009年不登校児童生徒のうち発達障害
が疑われる小学生は16.1%
発達障害が疑われる不登校児童生徒の実態 :
福島県における調査から
2011年不登校の中で発達障害の割合が
3割程度
不登校問題に関する調査研究協力者会議
2017年不登校児の57%が発達障害不登校と発達障害:不登校児の背景と転帰
に関する検討

発達障害による不登校は、非常に大きな問題となっています。

発達障害による不登校の原因

自閉スペクトラム症(ASD)

・教室の音や光に敏感に反応してしまう

・集団行動で混乱してしまう

・友達と上手にコミュニケーションが取れない

・暗黙のルールが分からない

学習障害(LD)

・板書が追いつかない

・授業中の読み書きが難しい

・学習内容の定着が周りの友達より遅いことへの劣等感

・特定の教科が著しく苦手なので回避したい

注意欠陥・多動性障害(ADHD)

・じっと座っているのが難しい

・時間の管理が難しい

・思いついたまま行動してしまい、友達とトラブルになる

発達障害による不登校の子どもに対する接し方のポイント

発達障害による不登校は、子どもの努力不足や甘えではありません。それぞれの特性を正しく理解するところがスタートです。

悪い声かけの例

・いつまでも甘えていちゃダメでしょ

・みんなできているのに、なんであなたは……

・もっと努力すればできるはずだよ

良い声かけの例

・○○が得意なんだね!すごいと思うよ!

・苦手なことは少しずつ練習していけば大丈夫だよ

・人それぞれなんだから、あなたに合った方法を見つけよう

接し方のポイント

・子どもの長所を生かせる場を作る

・他人と比較しない

・子どものレベルに応じた適切な要求をする

・子どもの視点で物事を考える

「発達障害の子どもはみんな不登校になる」という考えは間違っていますが、発達障害のある子どもの多くが「クラスに溶け込みにくい」と感じているのは事実です。

子どもに合わせた支援を行うことが、学校復帰に繋がります。

複合型の不登校


不登校になったきっかけが1つにまとめられず、複数の原因が複雑に絡み合っているタイプの不登校です。

・いじめと両親の離婚が重なった

・テストに対する過度なプレッシャーとSNSの炎上が重なった

・受験の不安と引っ越しが重なった

もちろん、原因が2種類とは限りません。一つひとつのきっかけは小さくても、複数の原因が重なることで立ち直れなくなるほど深刻になってしまうこともあります

複合型の不登校の特徴

全ての原因が同時に発生するわけではありません

元々「いじめっ子がクラスにいて嫌だな」と思っていたところに「両親が離婚した」などの別の原因が重なり、心が限界になって不登校になってしまいます。

対応が難しい

・状況の把握に時間がかかる

・1つの解決策では改善が難しい

不登校が長期化しやすい

・解決までに時間がかかる

・一時的な改善と悪化を繰り返す

・支援の継続性が重要になる

個別性が高い

・原因の組み合わせが人によって異なる

・原因の組み合わせによって子どもの様子が異なる

・オーダーメイドの対応が必要

複合型の不登校の子どもに対する接し方のポイント

複合型の不登校では複数の要因が絡み合っているため、特に慎重な声かけが必要です。

【悪い声かけの例】
・早く全部解決しないと手遅れになるよ

・これ以上心配かけないでよ

・勉強さえ頑張ればあとは何とかなるよ

【良い声かけの例】
不安を感じているとき

・いろいろなことが重なって大変だったね

・1つずつ整理していこうか

人間関係の悩みと勉強の悩みが重なっているとき

・友達のことも勉強のことも一緒に考えていこう

・今はみんなと同じペースじゃなくてもいいんだよ

将来への不安を感じているとき

・焦らなくても大丈夫だよ

・道は1つじゃないから今はゆっくり休んでいいんだよ

【接し方のポイント】
・全ての解決を急ごうとしない

・子どもの複雑な感情を受け止める

・子どもの気持ちに寄り添う

・一緒に考える姿勢を見せる

・子どもが複数の悩みでパニックになっているときは、1つに焦点を当ててあげる

複合型の不登校への対応では、問題の複雑さを理解し、一つひとつの原因に丁寧に向き合うことが重要です。

声かけは、その第一歩です。焦らず、じっくりと子どもの気持ちに寄り添い、安心感を与えられる言葉を選んでいきましょう

全ての問題をまとめて解決しようとしてはいけません。子どものペースを尊重しながら、少しずつ改善を目指していくことが大切です。

>> 【144個の具体例を紹介】不登校の子どもが前向きになる良い声かけと悪い声かけ
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【学年別の特徴を解説】小学生の不登校の原因と未然に防ぐ方法


令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果によると、不登校の小学生は10万5112人です。

全体の1.67%、およそ59人に1人の小学生が不登校という計算になります。タップで各見出しに直接移動できます。

小学校低学年ならではの不登校と未然に防ぐ方法


環境の変化が原因で、不登校になる子どもが多いです。

親から離れることへの不安

長時間親(特に母親)と離れることに不安を感じ、不登校になるケースが多いです。幼稚園や保育園時代は、親と一緒に過ごす時間が多かったため、このような不登校が目立ちます。

学校生活の新しいルールへの適応

小学校では、クラスや学校のルールに従う必要があります。これまでの自由な生活から一転し、我慢や他人に合わせることが求められます。子どもにとってストレスになりやすく、不登校の原因につながります。

小学校低学年の不登校を防ぐ方法

自分でできることは自分でやらせる
子どもに自主性を育てるため、簡単なことは自分でやらせるようにしましょう

ルールを作り、守る練習をする
「家族のルール」や「親子のルール」を作り、守ることで学校生活に必要な規律を身につけさせましょう

小さな社会経験を積ませる
公園での遊びや近所の友達との交流などを通して、友達との関わり方やルールを守ることの大切さを学ばせましょう

小学校中学年ならではの不登校と未然に防ぐ方法


友達関係のトラブルや勉強の遅れが、不登校につながる子どもが多いです。

仲の良い友達グループができる

小学校中学年は、「ギャングエイジ」と呼ばれる年齢です。
*ギャングエイジは、大人よりも仲間の考えを重視し、特定の女の子同士や男の子同士で集団を作る時期のこと

この時期の子どもたちは、仲の良い友達同士でグループを作り、その友達内だけで秘密を共有したり遊んだりすることが増えます。その中で、
・仲間はずれ

・いじめ

・ボス的な存在の子が怖い
などが原因で不登校になることが多いです。

学校の勉強が難しくなる

小学校3年生から、理科と社会が始まり、他の教科も徐々に学習内容が難しくなっていきます。

・これまで100点を取れたのに取れなくなった

・勉強が難しくてついていけなくなった

・テストで間違えるから親に褒められなくなった

小学校中学年になると、子どもはテストの点数が「勉強ができる」「勉強ができない」を表すと理解しています。勉強ができない不安やプレッシャーから、不登校になる子どもも多いです。

小学校中学年の不登校を防ぐ方法

友達関係で悩んでいたら話を聞く
友達関係が原因で悩んでいる場合は、子どもの話をしっかりと聞くようにしましょう

「友達が少ない=悪い」ではないと教える
無理にグループに入らなくても安心できる環境を作りましょう

子どもの勉強の様子を把握する
テストや宿題の様子から、子どもの勉強の理解度を確認しましょう

勉強をサポートする
一緒に勉強することで子どもとのコミュニケーションも深まり、不登校の予防につながります

プレッシャーを与えすぎない
勉強に対する不安が強まり、不登校につながることがあります

テストの点数にこだわらない
テストの点数の良し悪しで態度を変えるのはNGです

努力に目を向ける
結果ではなく過程に目を向け、叱ったり褒めたりしましょう

小学校高学年ならではの不登校と未然に防ぐ方法


思春期を迎えて精神的に不安定になったことが、不登校の原因になる子どもが多いです。

異性を意識し、人間関係が複雑になる

・「〇〇ちゃん、ぶりっ子で調子に乗っている」

・「△△ちゃんも✕✕君のこと好きなんだって、ウザいよね」

・他の子よりも胸が大きいのが恥ずかしくて……

思春期で恋愛関係や友達関係が複雑になり、不登校になることがあります。

親との衝突や反抗

思春期の影響で考え方が複雑になり、親の言葉を素直に受け入れられず反抗的になります。

・親が自分を理解してくれない

・親や学校に反抗したい

・悪いことをしている自分がかっこいい

このようなことが原因で、不登校になるケースもあります。
小学校高学年の不登校を防ぐ方法

子どもとの距離感を保つ
特に女の子の場合、父親がグイグイ近づいてくるのを嫌がることが多いです

子どものプライベートは守る
子どもと一定の距離感を保ち、子どもが1人になれる場を設けると良いでしょう

男の子の場合、会話が減っても気にしない
自然なことなので、しつこく聞いたり問い詰めたりするのは避けましょう

親は味方だと伝える
子どもが何か悩んでいる様子があれば、「何か困ったことがあったら言いなさい」と伝えておきましょう

悪いことはきちんと叱る
悪いことをしたらしっかりと叱ることで「どこまでなら許されるのか」子どもが理解します

>> 【私と同じ失敗をしないでほしい】不登校の子どもへの対応で親が後悔していること17選
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【学年別の特徴を解説】中学生の不登校の原因と未然に防ぐ方法


令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果によると、不登校の中学生は19万3936人です。

全体の5.88%、およそ17人に1人の中学生が不登校という計算になります。タップで各見出しに直接移動できます。

中学校1年生によくある不登校と未然に防ぐ方法


小学校と中学校の違いに戸惑い、不登校になる子どもが多いです。

小学生の頃はあんなに楽しそうに学校に行っていたのに、中学生になったら全然元気がない……。これは、中1ギャップが原因かもしれません。

よくある不登校の原因は中1ギャップ

中1ギャップとは、小学校から中学校への進学に伴い、環境や学習内容の変化に適応できないことです。

・先輩後輩の上下関係

・部活動

・教科担任制

・小学校とは異なる学校内での細かいルール

・難しい勉強

小学校とは全く異なる環境に対応できず、不登校になってしまう子どもが非常に多いです。

中学1年生の不登校を未然に防ぐ方法

中学校1年生の不登校を未然に防ぐには、
・小学校6年生の3月に、中学校生活について子どもに説明をしておく

・家の中でルールを作り、中学校入学前にルールを守ることに慣れさせる

・中学生になり疲れている子どもに対し、あれこれ聞き出そうとしない
の3つが効果的です。

中学校2年生によくある不登校と未然に防ぐ方法


中学1年生から中学3年生までを比較すると、中学2年生の不登校が最も多いです。

中学1年生中学2年生中学3年生
不登校の人数53,770人70,622人69,544人

>> 令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要

しかし、中学1年生から継続して不登校になっている生徒が多いため、実は中学校2年生から不登校になる生徒はそこまで多くありません

よくある不登校の原因は中だるみと甘え

中だるみ、甘え、思春期特有の悩み。この3つが中学2年生の不登校のキーワードです。

中学2年生は、中だるみの時期と言われています。

・中学校生活に慣れてきた

・後輩ができて自分の立場が上になり、調子に乗った

・なんとなく無気力になった

いじめやトラブルがあったわけではないけど、だらけてしまい不登校になる。これが、中だるみによる不登校です。

また、中学校2年生になると、高校受験を意識し始める子どもが増えてきます

・まだ子どもでいたい

・入試なんて受けたくない

・将来について考えたくない

このような甘えから、不登校になるケースも多いです。

中学2年生の不登校を未然に防ぐ方法

中学2年生の不登校を未然に防ぐには、
・子どもとのコミュニケーションを大切にする

・子どもの状態を把握する

・過干渉にならないように注意する
の3つが効果的です。

中学校3年生によくある不登校と未然に防ぐ方法


中学3年生になると、部活が終わり受験が近づきます。そのため、部活と受験が原因の不登校が非常に多くなります

よくある不登校の原因は部活が終わった無気力感と受験のプレッシャー

部活を熱心にやっていた子どもは、部活が終わると同時に目標や目的を失ってしまうことがあります。何とも言えない寂しさや無気力感から不登校になるケースです。

また、受験が近づくにつれて、子どもはプレッシャーを感じるようになります。

・受験に失敗したらどうしよう

・志望校に行けるかな

・親が公立高校に行けって言うから頑張らないと……

受験のプレッシャーや親の期待と戦いながら一生懸命勉強していたけど、限界を超えて不登校になるケースも多いです。

中学3年生の不登校を未然に防ぐ方法

中学3年生の不登校を未然に防ぐには、
・部活動が終わったら、勉強に目が向くよう支援する

・高校受験に対するプレッシャーを与えすぎず、事実を教える

・受験勉強に息抜きは必須なので、子どもがリラックスできる環境を作る
の3つが効果的です。

>> 【私と同じ失敗をしないでほしい】不登校の子どもへの対応で親が後悔していること17選
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不登校の3つの状態と子どもへの接し方のポイント


不登校の3つの状態.png

不登校 は、子どもの様子や行動によって 3つの状態に分けることができます。タップで各見出しに直接移動できます。

【不登校初期】学校に行くのを激しく拒否


子どもが不登校になりそうな状態から、不登校になったばかりの状態です。

子どもの状態と考えていること

子どもの状態
子どもが
考えていること
精神的に不安定
・学校に行くのを強く拒否する
・人間関係に疲れている
・イライラしていることが多い
どうすれば学校に行かなくて済むのか
・他人と接触するのが怖い
・学校に行けない自分が情けない
・学校に行けない自分に嫌気がする
・行かなきゃダメなのは分かるけど……

不登校初期の子どもに対する接し方のポイント

完全に不登校になる前

①子どもに登校刺激を与える

②保健室登校や午前中だけの登校など、さまざまな選択肢があることを教える

③月曜日だけ休んで、火〜金曜日は登校するといったルールを決める

学校に行きたくない気持ちに共感を示しつつも、最初は登校を促しましょう

普通に登校するのが厳しい場合は「②の保健室登校や午前中だけの登校」、それも厳しい場合は「③の1週間に1日だけ休む登校の仕方」を提案します。

普通に登校するのが厳しい場合は②、②も厳しい場合は③というように少しずつ譲歩するイメージです。

完全に不登校になった後

・ここまでよく頑張ったと子どもを認める

・親は味方だから、何かあったら言うように伝える

・子どもをゆっくり休ませることを優先させる

嫌々ながら、よく頑張って学校に行き続けたと褒めてあげましょう

まだ精神的に不安定な時期です。子どもが自分から塾に行きたいと言わない限り、塾のことを考える必要はありません

もともと塾に通っていた場合は、休塾や退塾を検討しましょう。子どもが落ち着いてから、不登校に対応したオンライン塾に変更するのがおすすめです。

【不登校中期】落ち着いているけど無気力


子どもが完全に不登校になってから時間がたち、不登校に慣れてきた状態です。

子どもの状態と考えていること

子どもの状態
子どもが
考えていること
落ち着いているけど無気力
・不登校に慣れてくる
・普段は落ち着いている
・学校へ行くように促すと反抗的になる
・少しずつ毎日の生活に飽きてくる
退屈だけど学校には行きたくない
・することがなくて暇だ
・退屈だから何かしようかな
・学校に行けない自分はダメな人間だ

不登校中期の子どもに対する接し方のポイント

・日常的なコミュニケーションを続ける

・子どもの様子を注意深く見守る

・非行に走った場合はしっかりと叱る

子どもは、不登校に慣れて少しずつ毎日の生活に飽きてきます。刺激がないため無気力になることもありますが、退屈しのぎに何かしらの行動を始めることも多いです。

・絵を描く

・本を読む

・アニメを見る

このような行動の場合は、生活リズムが崩れないように注意していれば問題ありません。そのまま見守りましょう。

しかし、
・夜遅くに外出する

・親のお金を盗む

・SNSで出会った人と会う

・ネットショッピングやスマホアプリの課金を繰り返す
ような場合は、しっかりと注意しましょう。

注意することで、「お母さんはあなたのことをちゃんと見ているよ」「お母さんはあなたのことを大切に思っているよ」というメッセージを子どもに伝えることができます。

>> 子どものネットトラブル対策に【とくとくプラスあんしんプラン】がおすすめの理由6選!

【不登校後期】積極性や行動力が見られる時期


学校には行かなくても、勉強を始めたり習い事を始めたりする状態です。不登校後期になったら、塾の無料体験を受けてみるなど将来に向けて動き出しても大丈夫でしょう。

子どもの状態と考えていること

子どもの状態
子どもが
考えていること
積極性や行動力が見られる
・精神的に落ち着いている
・学校には行かなくても習い事には行ける
・家事を手伝ったり外出したりできる
自分を変えるきっかけが欲しい
・ずっとこのままなのかな
・このままじゃダメだ
・自分からは学校に行くと言い出せない……

不登校後期の子どもに対する接し方のポイント

・学校復帰や将来の社会生活に向けたルール作り
午前中は自分で勉強して夜はオンライン塾に通う、休日は家族と出かけるといったルールを作る

・規則正しい生活の心がけ
朝起きて夜眠る、一般的な子どもの生活リズムに整える

・学校復帰の手伝い
不登校の理由がいじめや担任が合わないなどの学校生活によるものではない場合、学校へ通う準備をする

不登校が続いていますが、「何か自分を変えるきっかけはないだろうか」と考えていることも多いです。まずは、不登校に対応した塾に通って子どもの様子を観察します

1〜2ヶ月塾に通って問題なさそうなら、学校へ通う準備を始めても問題ないでしょう。

学校を休んでいた子どもが「明日から学校へ行きます」と自分の口から言い出すのは、とても勇気が必要です。なかなか言えません。

子どもの背中を優しくポンと押し、一歩前へ進ませてあげるのも親の仕事です。学校へ行くことを強制しないように注意しながら、登校を促してみるのがおすすめです。

・いじめられた

・担任が合わない

・自分はいじめられていないけど、いじめっ子が怖い

このように学校生活に不登校の原因がある場合は、学校復帰をゴールにする必要はありません。高校進学や将来の社会生活に向けて、子どもの社会性を伸ばしてあげましょう。

子どもに登校を拒否されたときも同じです。慌ててはいけません。塾に通いながら、少しずつ子どもの社会性を伸ばしてあげましょう。

>> 【塾経営者が厳選】不登校の小中学生におすすめの塾5選!子どものことを考えた塾の選び方も解説
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子どもが不登校になったとき親にできること4選


子どもが不登校になったとき、親にできることをまとめます。タップで各見出しに直接移動できます。

睡眠時間の管理をする


不登校の子どもは、友達や地域社会との関わりが少なくなります。そのため、生活リズムが崩れてしまうことが多いです。

夜遅くまで起きていたり、昼近くまで布団から出てこなかったりといった様子がよく見られます。ゲームやSNSに夢中になり、昼夜逆転生活になることも少なくありません。

身体の成長や精神状態などに大きな影響を与えます。

子どもの生活リズムが崩れたら、ゲームやSNSの時間を昼間に限定したり夜は家族と一緒に過ごすようにしたりするといった対応を取りましょう。

子どもが規則正しい生活を送れれば、不登校からの復帰に大きなプラスとなります。

しかし、子どもが精神的に不安定で
・夜眠るのが怖い

・悪夢を見るから眠れない

・スマホを手放すと不安になる
などといった状態になることもあります。

そのようなときは、迷わず思春期外来の診察を受けるようにしましょう。

思春期外来とは、思春期の子どもに対するメンタルヘルスを専門に扱う医療機関です。

>> 思春期外来が扱う症状と治療法

子どもとの会話を増やす


不登校の子どもは、自信のない言葉や自分を否定する言葉を言うことが多いです。

否定的な言葉を言う子どもには、「自分を認めてほしい」という気持ちが隠れています

つまり、あなたに「違うよ、そんなことないよ」と言ってもらいたいということです。

子どもがマイナスな発言をしたときは子どもを肯定し、しっかりと認めてあげましょう。

また、会話をしていると脳が活性化します。不登校の子どもは、刺激の少ない生活を送っています。会話をすると活力が出てくるので、子どもと日常会話をするようにしましょう。

日常会話をするだけでも、学校復帰につながります

あなたが声をかけても
・うるさい

・静かにして

・私のことは構わないで
などと反抗することもあるでしょう。

そのようなときは、声かけだけしてそっとしておきます。子どもに話をさせようとするのではなく、日常会話を投げかけるイメージです。

私のおすすめの日常会話は、「今日の夕ご飯何がいい?」の一言です。

思春期で不登校の子どもの場合、「何でもいい」と返してくることが想像できますね。そのときは、すぐに「から揚げとハンバーグだったらどっちが食べたい?」などと具体的な二択を出しましょう。

多くの子どもはどちらかを選んでくれます。これだけでも日常会話になりますね。このような会話を積み重ねていくだけでも、子どもの脳を刺激できます。

どれだけ反抗していても、まだまだ子どもです。あなたが声かけをやめたら、子どもは
・自分は見捨てられた

・やっぱり自分は駄目な人間なんだ

・親は自分のこと分かってくれないから、もうどうでもいい
と自己肯定感が低くなってしまいます。

不登校の子どもの反抗的な言葉は、「こんな自分だけど、お母さんは見捨てないよね?」というメッセージです。決して子どもを否定しないようにしましょう。

子どもが1人でゆっくりできる環境を作る


不登校の子どもは、精神的に疲れています。子どもの疲れを癒すために、1人で過ごせる環境を作ってあげましょう。

・子どもが1人で過ごせる時間を作る

・リビングの一角や和室を子ども用のスペースにする

・子どもの趣味のための部屋を設ける

子どもが1人でゆっくりとくつろぐことができれば、ストレス は少しずつ解消されていきます。

子どもが精神的に落ち着いている場合は勉強の時間を設ける


子どもが学校に復帰したときに1番苦労するのが、学校の授業が全然分からないことです。

子どもが不登校で学校を休んでいる間も、授業はどんどん進んでしまいます。

①不登校になってしまった

②しばらく家で休んだ

③頑張って学校に行ってみた

④授業が分からなくて、自分の居場所がないように感じた

⑤学校に行けなくなる

頑張って学校に行ったけど、授業についていけないから学校に行けなくなる。不登校の生徒が陥りやすい、負のスパイラルです。

不登校の場合、どうしても勉強時間が短くなってしまいます。1人で勉強するにも、モチベーションが上がらず何を勉強したら良いのか分からない人も多いです。

そこで、私は不登校の出席扱いに対応したオンライン塾を最もおすすめしています。
*不登校の出席扱い制度とは、学校に行かなくても出席になる仕組みのこと

>> 【塾経営者が厳選】不登校の小中学生におすすめの塾5選!子どものことを考えた塾の選び方も解説
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不登校の子どもを支援するサービス3選


不登校の子どもを支援するサービス.png

不登校の出席扱い制度に対応したサービスを3つ紹介します。

不登校の出席扱い制度とは、学校に行かなくても出席になる仕組みです。

>> 不登校の出席扱い制度の詳細

・教育支援センター

・フリースクール

・不登校専門のオンライン塾

初めに、3つのサービスを簡単に比較します。

タップで各サービスのメリット・デメリットに直接移動できます。
教育支援センターフリースクール不登校専門のオンライン塾
入会金0円53,000円10,000~30,000円
月謝0円33,000円10,000円〜
個別指導
通信教材××
オンライン授業×
主要5教科の勉強
公的機関××
子どもに合った先生
を選べるシステム
××
不登校の出席扱い
制度に対応
発達障害に対応
カウンセラーなど
専門家の存在
保護者へのサポート

不登校の出席扱い制度とは学校に行かなくても出席になる仕組み


実は、不登校でも条件を満たせば出席扱いになります。

>> 不登校の出席扱いに関する文部科学省の資料

【不登校でも出席扱いになる条件】
①子どもが学校外で指導を受け、その施設が適切な指導をしていると校長先生や教育委員会が判断した場合

②子どもが自宅で学習し、適切な教材を用いて勉強していると校長先生が判断した場合

①の条件を満たすのが教育支援センターとフリースクール、②の条件を満たすのが不登校専門のオンライン塾です。

教育支援センターのメリット・デメリット


教育支援センターのメリット

・公的機関なので安心できる

・無料で利用できる

・小中学校の教師または元教師が常駐している

・学校に復帰することを目的としている

教育支援センターは無料で使える公的機関なので、親として1番安心できるサービスだと言えるでしょう。

学校の先生もいるため、学校に近い雰囲気で授業が受けられるのもメリットです。

教育支援センターのデメリット

・教育支援センターを嫌がる子どもが多い

・スタッフが少ないので、一人ひとりの子どもをずっと見ているわけではない

・数時間〜半日しか対応できないこともある

・近くに教育支援センターがないと、送迎が大変になる

不登校の子どもの多くは、教育支援センターを嫌がります。

教育支援センターが、学校への適応を基本的な目的にしているからです。

不登校の子どもたちは、学校に行けない何かを抱えています。そのため、学校に適応させようとするフリースクールを嫌がる子どもが多いです。

公的機関が無料で行っているので仕方ありませんが、スタッフが少ないので1人の子どもをずっと見ていることはできません

まだ1人で勉強するのが難しい小学校低学年の場合、数時間〜半日しか対応できないこともあります。

フリースクールのメリット・デメリット


フリースクールのメリット

・同じ境遇の友達ができる

・スポーツやプログラミングなどに特化した勉強ができる

・オンラインと通学の2つから選べる

フリースクールは、子ども同士が関わる時間が多いです。同じ境遇の友達ができる可能性が1番高いでしょう。

カリキュラムが決まっていないので、スポーツやプログラミング、美術など自分がやりたいことに専念できるのもメリットです。

オンラインと通学から選択できるのも、フリースクールならではの強みです。

フリースクールのデメリット

・料金が高い

・学習レベルが低いことがある

・フリースクールは数が少ない

文部科学省の調査によると、フリースクールの入学金の平均は53,000円、授業料の平均は33,000円/月です。

>> 文部科学省の調査の詳細

他の不登校支援サービスに比べて、料金がかなり高いです。

カリキュラムが決まっていないのはメリットでもありますが、デメリットでもあります。

学習指導要領や教科書に沿った内容ではないので、フリースクールでの勉強は学習のレベルが低いことも多いです。

学習指導要領とは、国が決めた授業のガイドラインのことです。学校の授業は、全て学習指導要領に沿って行われています。

不登校専門のオンライン塾のメリット・デメリット


不登校専門のオンライン塾のメリット

・マンツーマンで授業してくれる

・オンライン授業なので精神的、肉体的な負担が比較的小さい

・たくさんの先生から子どもにピッタリの先生を選べる

・子どもと年齢の近い大学生が見てくれることが多い

自宅でマンツーマンの授業が受けられる。

これが不登校専門のオンライン塾の最大のメリットです。

不登校の子どもにとって、対面でさまざまな人とコミュニケーションを取るのはハードルが高いです。他のサービスに比べて、精神的、肉体的な負担が小さくなります。送り迎えの必要もありません。

子どもと年齢が近い大学生が授業を担当することが多いので、子どもが心を開きやすいのも特徴です。

お兄さん先生、お姉さん先生として見守ってくれるでしょう。

不登校専門のオンライン塾のデメリット

・担当する先生によって能力差がある

・不登校の出席扱いに対応していない塾もある

担当が大学生なのは、デメリットでもあります。

プロと違い、先生によって能力差が大きいです。

先生の人数が多いのがオンライン塾のメリットなので、無料体験や入塾時に子どもの性格や特徴にピッタリの先生を選ぶようにしましょう。

もし子どもと合わないと感じたら、遠慮せずにすぐに先生の変更をしてください。

不登校状態の子どもの心は、非常に不安定です。子どもが「合わない」と言い出す前に気づけるとベターですね。

また、不登校の子どもに対応していても不登校の出席扱い制度には対応していない塾も多いです。私の塾でも不登校の子どもを見ていますが、不登校の出席扱い制度には対応していません。

オンライン塾を検討する場合は、不登校の出席扱い制度に対応した、不登校専門の塾を選ぶのがおすすめです。

>> 【塾経営者が厳選】不登校の小中学生におすすめの塾5選!子どものことを考えた塾の選び方も解説
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子どもの不登校について相談できる専門機関4選


子どもの不登校の相談が可能な、信頼できる専門機関を4つ紹介します。

不登校支援センター


不登校支援センターは、不登校や引きこもりを扱っている一般社団法人です。

不登校の相談件数約10,000件(2022年)
累積カウンセリング件数約17万件
常駐カウンセラーの人数70名以上
不登校の解決率87.1%(2015年時点)
オンライン相談への対応

最新の不登校の解決率はホームページ内に書かれていませんが、80,000人以上の臨床データ数もあり、子どもの不登校の相談先として信頼できます。

>> 【一般社会法人】不登校支援センター

ひきこもり地域支援センター


ひきこもり地域支援センター は、厚生労働省が設置している機関です。ひきこもりに特化した相談窓口で、全国の都道府県や指定都市に設置されています。

深刻な引きこもり状態や、半年以上に渡って不登校の状態の子どもの支援に最適です。

国が設置している機関なので、他の機関との連携が充実しています。子どもの不登校の相談でしたら、まずこちらに連絡すれば間違いないです。

教育支援センター


教育支援センターは、教育委員会が不登校の子どもの学校復帰を目的として支援する機関です。

教育支援センターが行っていることの一例

・個別のカウンセリング

・教育相談

・少人数での授業

子育て相談ドットコム


子育て相談ドットコム.png
子育て相談ドットコムより引用

子育て相談ドットコムは、子育てに関する悩みを専門家に無料で相談できるサービスです。

子育てに関するあらゆる悩みを、匿名で何度でも無料で相談することができます

専門家の一例

・小児科医

・皮膚科医

・内科医

・栄養士

・臨床発達心理士

・精神保健福祉士

・保健師

・教師

24時間いつでも相談可能です。

>> 子育て相談ドットコム
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【不登校でも高校受験はできる】高校の種類別メリット・デメリット


不登校に関する実態調査によると、不登校の子どもの高校進学率は85.6%です。不登校の子どもが通える高校の選択肢も、徐々に増えています。

通信制高校のメリット・デメリット


通信制高校は、自宅での学習を基本とした高校です。

通信制高校のメリット

・自宅学習をしながら卒業に必要な単位を修得できる

・学校に行き、教室に入らなくて良い

・少人数の授業が多い

・個別の授業をしてくれる通信制高校もある

・不登校でも安心して通える環境が整っている

・どこに住んでいても通える

・自宅学習なので、自己管理能力が身につきやすい

通信制高校のデメリット

・ネット環境が必要である

・自己管理が必要なので、モチベーションの維持が難しい

・対面でコミュニケーションを取る機会がないので、人間関係を作る力が身につきにくい

・自宅学習なので、規則正しい生活を維持するための家族のサポートが必要になる

・自宅学習ができずに中退する子どもが多い

定時制高校のメリット・デメリット


定時制高校は、週5日学校に通いますが、1日の授業時間が4時間程度の高校です。夕方から始まる学校が多いです。

定時制高校のメリット

・働きながら学校に通うことができる

・昼間の時間を自由に使えるので、昼間に趣味や家事を行える

・夕方から学校が始まるので、朝に弱い子どもでも通いやすい

・年齢制限がないので、幅広い年齢層の人と交流できる

・少人数の授業が多い

・不登校だった人が集まるので、子どもが周りと共感しやすい

定時制高校のデメリット

・帰宅時間が夜遅くになる

・クラスメイトの年齢がバラバラなので、共通の話題が見つかりにくい

・大学進学を考えている人が少ないので、大学進学の情報が集まりにくい

・勉強への意識が低い生徒も多いので、子どもが影響を受ける可能性がある

・一部の定時制高校は授業内容が簡略化されているので、大学進学への不安がある

全日制高校のメリット・デメリット


全日制高校は、いわゆる「普通」の高校です。他の生徒と同様、内申点や当日の試験、面接などで合否が決まります。

全日制高校のメリット

・体育祭や文化祭などの学校行事があり、特別な体験や思い出が作れる

・部活動を通して友達を作り、共通の趣味を楽しめる

・先生や他の生徒とコミュニケーションを取ることで、社会性が身につく

・進路指導が充実している

・通信制や定時制と比べ、卒業後の進学や就職で有利になることが多い

・規則正しい生活が送れるようになる

全日制高校のデメリット

・学校に慣れるのに時間がかかる子どもが多い

・毎日多くの生徒と過ごすことで、ストレスを感じやすい

・学校を「普通」に通うことへのプレッシャーで、精神的に疲れる子どももいる

・出席やテストで成績が決まるので、評価をつけられることに不安を感じる子どももいる

・決まった時間割で進むので、個別の対応が難しい

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【文部科学省のデータを紹介】不登校による受験や就職でのリスク


中学校3年生のときに不登校だったおよそ4万1000人を対象とした追跡調査「不登校に関する実態調査」のデータから、不登校のリスクをまとめます。

不登校の子どもが進学・中退した割合


高校進学と中退の割合.png

中学校3年生のときに不登校だった場合でも、中学卒業と同時に進学できる子どもは非常に多いと言えます。

不登校経験がある中学生の進学状況

・高校に進学:81.4%

・働きながら高校に進学:4.2%

学費を自分で稼いだり家業を手伝ったりする必要があるという理由で、4.2%の子どもは働きながら高校に進学しています。

働きながら高校に進学する場合、通信制高校や夜間高校に進学するパターンがほとんどです。

しかし、高校に進学できたとしても、100人のうち14人は中退してしまうのが現実です。

令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果によると、2022年度(令和4年度)の高校中退者数は全国で4万3401人です。

全高校生の約1.4%が中退しています。

高校を中退する子どもの割合

・全国の高校生の平均:1.4%

・中学3年生のときに不登校だった人:14%

不登校だった場合、高校を中退してしまう割合が平均より10倍高くなってしまいます

【不登校経験者の71.7%】アルバイトやパートとして就職


アルバイトやパートの割合.png

・不登校経験がある

・中卒あるいは高卒

この2つを満たした子どもの、20歳時点の雇用形態についてのデータです。

雇用形態割合
正社員20.7%
アルバイト・パート71.7%
家業の手伝い7.3%
自分で会社を経営0.3%

不登校経験があると、アルバイトやパートとして就職する可能性が高いのが現実です。ちなみに、高校を中退した子どもの場合、アルバイトやパートの割合が77.2%でさらに高くなります

>> 【不登校の子どもの将来】統計的に見た現実と受験や就職でのリスクを元教師が解説
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まとめ


不登校の原因は1つとは限りません。いくつかの問題が複雑に絡み合っていることが多いので、学校を休もうとする理由を尋ねても明確に答えられない子どもが多いです。

・不登校の子どもは平均7.5個、保護者は平均7.2個、先生は平均2.8個、不登校になったきっかけを挙げている

・子どもが考える自分が不登校になったきっかけと、保護者や先生が考えるその子どもが不登校になったきっかけは異なる

・無気力型の不登校が1番多い

・子どもが何に悩んでいるのか、どんな支援を求めているのか理解するのが大切である

・不登校になった原因や子どもの状態によって、子どもへの接し方が異なる

・不登校の相談ができる専門機関として、不登校支援センターやひきこもり地域支援センターなどがある

・不登校の子どもを支援するサービスとしては、不登校専門のオンライン塾がおすすめである。

・85.6%の子どもが高校に進学しているが、14%の子どもは高校を中退している

・不登校経験者の71.7%が、アルバイトやパートとして就職している

「こんなことになって申し訳ない」「私の育て方が悪かったのでは……」と自分を責めている人もいるかもしれません。

しかし、どうか1人で抱え込まないでください

不登校支援センターや引きこもり地域支援センターなどの専門機関には、同じような経験をされた方々がたくさんいます。子育て相談ドットコムのような、匿名で専門家に相談できるサービスもあります。専門家に相談することで、新しい視点や選択肢が見えてくることもあるでしょう。

最近では、フリースクールや不登校専門のオンライン塾など学校以外の学びの場も充実しています

不登校の出席扱い制度にも対応しているので、ぜひ選択肢の1つとして頭に入れておいてもらえればと思います

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