子どもの学力と反抗期の年齢や期間の関係について知っていますか?

男の子に勉強を教える母親イラスト-min.png

思春期 になると、多くの子どもが反抗的な態度を取るようになりますね。第2次反抗期 の現れです。

全ての子どもが同じ時期に第2次反抗期を迎えるのかというと、そういうわけではありません。子どもによって、また子どもを取り巻く環境や育て方によって大きく変わります。

実は、子どもの学力と反抗期の始まる年齢や期間には、大きな関係性があるのです

今回は、子どもの学力と第2次反抗期になる年齢や期間、その原因の関係性について見ていきたいと思います。

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反抗期とは


多くの子どもには、反抗期が2回ある と言われています。

1回目は、2歳前後から始まる 第1次反抗期 です。親が何を言っても「イヤ!」と反抗することから、「イヤイヤ期」とも呼ばれています。

「お風呂に入ろうか。」「イヤ!」「じゃあ、ご飯にしようか。」「イヤ!」というような感じですね。

2回目は、子どもが思春期になると始まる 第2次反抗期 です。「うざい。」「関係ない。」「放っておいて。」などと言って家族と距離を置いたり、暴力的な行動を取ったりします。

その一方で依存もしており、とても複雑な時期です。この第2次反抗期が始まる年齢は、人によって違いがあります

愛媛大学が研究した、「第2次反抗期」についてのデータがあります。

それと、私が偏差値40以下の高校を卒業した社会人(18~24歳)を対象に行った「第2次反抗期」のデータの2つについて見ていきましょう。

この2つの研究の違いは、対象が「国立大学の学生」か「偏差値40以下の高校を卒業した社会人」か、ということです。

第2次反抗期が始まる時期


ここから先は、愛媛大学の研究 → 私の研究 の順番で見ていきたいと思います。また、愛媛大学の研究は茶色、私の研究はで囲うことにします。

愛媛大学の研究は、100人の大学生を対象として行ったものです。このうち、反抗期があったと答えたのは60人(男子24人、女子36人)でした。

統計データ:反抗期の時期
小学校時代       5名(8.3%)
小学校~中学校にかけて 2名(3.3%)
中学校時代       30名(50%)
中学校~高校にかけて  12名(20%)
高校時代        7名(11.7%)
小学校~高校にかけて  1名(1.7%)
小学校~現在にかけて  1名(1.7%)
中学校~現在にかけて  1名(1.7%)
時期不明瞭       1名(1.7%)

次に、私の研究です。偏差値40以下の高校を卒業した社会人(18~24歳)45人を対象に行いました。このうち、反抗期があったと答えたのは40人(男子20人、女子20人)でした。

統計データ:反抗期の時期
小学校時代       0名(0%)
小学校~中学校にかけて 8名(20%)
中学校時代       14名(35%)
中学校~高校にかけて  10名(25%)
高校時代        1名(2.5%)
小学校~高校にかけて  4名(10%)
小学校~現在にかけて  2名(5%)
中学校~現在にかけて  1名(2.5%)
時期不明瞭       0名(0%)

どちらの研究でも、中学校時代に反抗期を迎えた子どもが最も多い という結果です。やはり、思春期真っただ中の中学時代に反抗する子どもが多いですね。

また、同じく中学校~高校にかけて反抗期が続く子どもも多く、この2つだけで全体の60~70%になります

注目したい点は3つあります。

1つ目は、私の研究結果の方が子どもの反抗をしている時期が長い傾向が見られるということです。2つ目は、私の研究の方が反抗の始まる時期が早いということです。そして3つ目は、私の研究の方が「反抗期があった。」と答える学生が多いということです。まとめてみます。

学力と反抗期の期間の関係
①学力に関係なく、中学校から反抗が始まる子どもが多い。
②学力が低いと反抗期の期間が長くなる。
③学力が低いと反抗期が始まる時期が早くなる。
④学力が低いと反抗期を迎える子どもが多くなる。

反抗を行った相手


大声で怒鳴る男の子イラスト-min.png

次に、反抗した相手が誰だったのかということについて見ていきたいと思います。まずは、愛媛大学の研究です。

統計データ:反抗の対象(N=60、複数回答可)
母親  46名(76.7%)
父親  29名(48.3%)
教師  11名(18.3%)
祖母   2名(3.3%)
祖父   1名(1.7%)
その他  4名(6.8%)

次に、私の研究です。

統計データ:反抗の対象(N=40、複数回答可)
母親  38名(95%)
父親  22名(55%)
教師  21名(52.5%)
祖母   2名(5%)
祖父   1名(2.5%)
その他  3名(7.5%)

どちらの研究でも、反抗の相手は圧倒的に母親が多いです。ほとんどの子どもが、母親を相手に反抗を行っていることが分かります。

このことから、子どもと接する時間が長ければ長いほど、反抗する相手になりやすい ということが分かります。

第2次反抗期は、一人前の人間として生きていくために反抗する時期です。周りの人から自立し、自分の考えや行動を優先させようとします。

より信頼関係のある相手に反抗することで、自立しようとしているわけですね

注目したい点は、2つあります。

1つ目は、私の研究の方が母親に対して反抗する割合が高いということです。そして2つ目は、私の研究の方が教師に対する反抗の割合が2倍以上になっているということです。まとめてみます。

学力と反抗を行う相手の関係
①学力に関係なく、母親に対する反抗が最も多い。
②学力が低いと母親に対して反抗する子どもの割合がさらに高くなる。
③学力が低いと教師に対する反抗の割合が高くなる。

反抗が始まった原因


次に、反抗が始まった原因について見ていきたいと思います。まずは、愛媛大学の研究です。

統計データ:反抗の理由(N=60)
自立心の芽生え 12名(20%)
親の性格、態度 10名(16.7%)
相互理解の欠如  7名(11.7%)
思春期の必然性  6名(10%)
自身の不安定   6名(10%)
自身の未熟    4名(6.7%)
信頼関係の不足  3名(5%)
その他の理由   8名(13.3%)
無回答      4名(6.7%)

次に、私の研究です。

統計データ:反抗の理由(N=40)
自立心の芽生え 10名(25%)
親の性格、態度 14名(35%)
相互理解の欠如  5名(12.5%)
思春期の必然性  1名(2.5%)
自身の不安定   2名(5%)
自身の未熟    4名(10%)
信頼関係の不足  3名(7.5%)
その他の理由   1名(2.5%)
無回答      0名(0%)

反抗の理由として多かったのは、「自立心の芽生え」と「親の性格、態度」です。

注目したい点は、私の研究では反抗の理由の1位が「親の性格、態度」であり、その割合が愛媛大学の研究の2倍以上になっているところです。まとめてみます。

学力と反抗の原因
①反抗の原因として多いのは「自立心の芽生え」と「親の性格、態度」である。
②学力が低いと親の性格、態度が原因で反抗するようになったと考える子どもが多くなる。

反抗が終わった理由


次に、反抗期が終わった理由について見ていきたいと思います。まずは、愛媛大学の研究です。

統計データ:反抗期が終わった理由(N=60)
自身の成長    14名(23.3%)
感謝の心     13名(21.7%)
自然消滅     11名(18.3%)
親と疎遠になった 10名(16.7%)
家族が親密化した  4名(6.7%)
親へのあきらめ   2名(3.3%)
その他の理由    1名(1.7%)
無回答       5名(8.3%)

次に、私の研究です。

統計データ:反抗期が終わった理由(N=40)
自身の成長     6名(15%)
感謝の心      3名(7.5%)
自然消滅      5名(12.5%)
親と疎遠になった 12名(30%)
家族が親密化した  7名(17.5%)
親へのあきらめ   6名(15%)
その他の理由    1名(2.5%)
無回答       0名(0%)

愛媛大学の研究と私の研究で、全く異なる結果が出ました。

愛媛大学の研究では、「自身の成長」や「感謝の心」といった子どもの心の成長が、反抗期の終了へと結びついている様子がうかがえます。

しかし、私の研究では「親と疎遠になった」や「家族が親密化した」、「親へのあきらめ」といった家族関係が理由であるケースがかなり多かったです。まとめてみます。

学力と反抗期が終わる理由の関係
①学力が高いと子どもの心の成長が反抗期の終了につながることが多い。
②学力が低いと家族関係が反抗期の終了につながることが多い。

学力と反抗期の関係


うつ病気の男の子-min.png

今回の研究結果から、学力によって第2次反抗期になる年齢や期間、原因に大きな違いがあることが分かりました。これにはいくつか理由があります。それぞれについて見ていきましょう。

まず、学力が低いと親から期待されていないと感じる子どもが増えます。また、「ホントできない子だね。」「○○ちゃんはできるのに…。」というように、他人や兄弟と比較されて育つ子どももいます。

親子関係が非常に悪くなってしまいますね。子どもが自分自身にあきらめてしまい、無気力感や「見てもらいたい。」という想いから反抗を始めてしまうのです。

これにより、小学校のうちから、そして長い期間反抗するようになると考えられます。

同じく、親のこのような態度にいらだちや苦痛、悲しみを覚え、「自分が反抗期になったのは親が原因だ。」と考えている子どもが多いと考えられます。

また、偏差値の低い高校を卒業している彼らですが、小学校低学年くらいまではテストで100点を取ったりすることも多かった と答える人が多かったです。

彼らに共通しているのは、「テストで良い点数を取ったらご褒美をあげるよ。」などと言われて育ち、「ご褒美」のために勉強するようになってしまったり、過度な期待やプレッシャー をかけられていたりしていたということです。

テストとご褒美の関係については、「「テストで良い点数取ったご褒美にゲーム買う」は絶対ダメ!?」の記事でもお話ししましたね。ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

また、過度な期待やプレッシャーをかけられた人は、強いストレス を感じて勉強したくなくなってしまったり、勉強をする意味が分からなくなってしまったりしたとのことでした。

これにより、母親や教師に対して強く反抗していると考えられます。

さらに、学力の低い子ども達の反抗が、親だけでなく教師にも向けられています。これは、家庭でのストレス を学校で発散したり 家庭内の不和 に対するメッセージであったりすると考えられます。

また、学力が低いと「やりがい」を感じる子どもの割合が低くなる 傾向があります。「学校がつまらない。」「勉強しても意味がない。」などと考え、教師に対して反抗しているとも考えられます。

学力の低い子ども達の「反抗が終わった理由」を見てみると、「親と疎遠になった」、「親へのあきらめ」、「家族が親密化した」の3つで60%占めていることが分かります。

家庭環境や親子関係の変化といった「家族」が大きな影響を与えていますね。

私が注目したい点は、「家族が親密化した」結果反抗期が終わったと答えた人も多いということです。

子どもとの関わり方を変えたり、夫婦関係が改善したりするといった 子どもを取り巻く環境が変化する ことで、反抗期が終わることもあるのです。

以前、「不登校の原因はいじめよりも親子関係や家庭環境の変化!」の記事で、親子関係が子どもの不登校に大きな影響を与える という話をしました。親子関係や家族関係が、これからの課題になるかもしれません。

いかがでしょうか。これが、子どもの学力と第2次反抗期になる年齢や期間、その原因との関係性になります。

今回のデータはサンプル数が少ないため、これが全てとは限りません。しかし、私の長年の教員生活においても、学力と子どもの反抗、非行、問題行動には大きな関係性があると実感していました。

幼児期や小学校時代の子どもとの接し方や向き合い方が、子どもの学力や反抗、非行、問題行動に与える影響は大きいです。ぜひ、親子関係を築く上での参考にしてみてください。

幼児期の知育や反抗期・思春期の子どもとの接し方については、下にまとめておきます。ぜひ、そちらの記事も参考にしてみて下さい。

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まとめ
・学力が低いと、親が原因で反抗期になったと考える子どもが増える。
・学力が低い子どもの場合、家庭環境や家族関係の変化が反抗の終了と結びつくことが多い。
・幼児期や小学校低学年のときの親の関わり方が大切である。

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