
文部科学省が2023年7月31日に、2023年度全国学力・学習状況調査の結果を公表しました。こちらがその結果です。2019年度(前回調査)のデータと比較しながら見てみましょう。
英語(聞くこと)平均正答率58.9%(2023年度)―68.3%(2019年度) 9.4%ダウン
英語(読むこと)平均正答率51.7%(2023年度)―56.2%(2019年度) 4.5%ダウン
英語(書くこと)平均正答率24.1%(2023年度)―46.4%(2019年度) 22.3%ダウン
英語(話すこと)平均正答率12.4%(2023年度)―30.8%(2019年度) 18.4%ダウン
英語(読むこと)平均正答率51.7%(2023年度)―56.2%(2019年度) 4.5%ダウン
英語(書くこと)平均正答率24.1%(2023年度)―46.4%(2019年度) 22.3%ダウン
英語(話すこと)平均正答率12.4%(2023年度)―30.8%(2019年度) 18.4%ダウン
このように、英語の4技能全てにおいて前回調査を下回るという結果になりました。
特に「書くこと」と「話すこと」に関するテストの点数が大きく下がっています。英語が書けない、英語が話せないという中学生が大幅に増加しているのです。
衝撃的ですね。それでは、なぜこのように英語ができない中学生が増えたのでしょうか。今回は、その原因と対策について見ていきたいと思います。
目次
・英語嫌いの中学生が増えている!
・中学校で扱う英文法と英単語が大幅アップ
・文部科学省の理想と学校や家庭の現実
・どうすればいい?家でできる英語対策
・まとめ
・英語嫌いの中学生が増えている!
・中学校で扱う英文法と英単語が大幅アップ
・文部科学省の理想と学校や家庭の現実
・どうすればいい?家でできる英語対策
・まとめ
英語嫌いの中学生が増えている!
2023年度全国学力・学習状況調査の結果から分かったことがあります。それは、英語嫌いの中学生が増えたということです。
例えば、「英語の授業はよく分かりますか」に対する肯定的な回答は64.4%でした。同じく、「英語の勉強が好きですか」に対する肯定的な回答は52.3%でした。
どちらも、前回調査(2019年度)に比べて下がっています。
さらに、「将来、積極的に英語を使うような生活をしたり職業に就いたりしたい」と答えた中学生は37.2%でした。前回調査(2019年度)から5%も下がっています。
このように、残念なことに学校の英語の授業がよく分からない、英語が好きではないという生徒が増えています。
それでは、なぜこのような結果になっているのでしょうか。
中学校で扱う英文法と英単語が大幅アップ
実は、学習指導要領が改訂され、2021年度から小中学校で扱う英単語の数が大幅に増加しました。具体的に見てみましょう。
中学校の学習指導要領によると、語彙数(習得を目指す英単語数)が1200→1600~1800へと増加されました。それだけではありません。小学校3年生から英語が始まり、小学校高学年の英語が「教科」に変更されました。
これにより、小学校の語彙数600~700も追加されることになりました。
つまり、2021年度から、中学校卒業までの語彙数が2200~2500になったということです。
学習指導要領改訂前の中学校卒業までの語彙数が1200、改定後が2200~2500なので少し増えたどころの変化ではありません。
今の中学生は、学習指導要領改訂前に比べておよそ2倍の英単語を覚えなければならなくなってしまったのです。
さらに、小学校高学年の英語は年間45分×70コマしかありません。中学校の授業時数の半分です。
中学校とは異なり、英単語の宿題や日常的に課される学校も少ないですね。「小学校の英語は簡単な英会話だろう」と楽観的に考えている親も多いです。
この状態で、小学校高学年の間に600~700英単語を覚えておきましょうというのはかなりハードです。
実際に、中学生になっても小学校で習った英単語が読めない、書けないという生徒は非常に多いです。
しかし、中学校では小学校の英単語の復習をしている時間はありません。これは、中学校の数学で九九や割り算の復習をしないのと同じです。
そのため、今の中学生の中には小学校の英語ができないから英語ができないという生徒も非常に多いのです。
また、これに追い打ちをかけるのが中学校で習う英文法とその授業形態です。
学習指導要領の改訂により、英語の授業時数は変化していませんが、中学校で習う英文法は増えました。これまで高校で習っていた英文法の一部(仮定法や現在完了進行形、感嘆文等)が、中学の教科書に移行されたのです。
さらに、中学校の英語の授業は基本的に英語で行うことになりました。
これは、学校の先生にとっても苦痛です。
中学校入学時点でつまずいている生徒がいると分かっていても、じっくり復習する時間を取ることができません。よく分かっていない生徒がたくさんいると分かっていても、英語を使った授業をしなければならないのです。
当たり前のことですが、授業中に教師も生徒も英語を使ってやり取りするとなれば、これまで以上に時間がかかってしまいますよね。
語彙数と習う英文法は増え、授業は英語で行い、授業時数は変わらない。
もちろん英文法の説明や支援が必要な生徒への対応は日本語で行われていますが、それでもかなり大変ですね。
文部科学省の理想と学校や家庭の現実

文部科学省が求める英語教育と実際の子どもの現状、学校の現状は大きく離れてしまっています。
次回、学習指導要領の改訂が行われる際にこの課題が少しでも改善されればと思います。
家でできる英語対策とは?
それでは、家庭ではどのように子どもの英語に向き合う必要があるのでしょうか。また、家でできる英語対策はあるのでしょうか。
①自分が子どもの頃を基準にしない
ここまで見てきたように、現在は英語の勉強がとても大変な時代です。そのため、まずはあなたが子どもだった頃の英語教育とは全然違うという意識を持ってください。
今の中学生が、中学卒業までに必要な語彙数が2200~2500なのに対し、親世代が中学卒業までに必要な語彙数はこれの3分の1~半分ほどでした。
今は、学校の授業も英語で進んでいきます。
定期テストも、単なる英単語や連語、教科書や問題集の暗記では点数が取れなくなりました。学んだ英文法を使って、自分のことについて英作文を書いたり長文を読み解いたりする問題が大幅に増えたのです。
リスニングテストの英会話のスピードも、これまでとは比べ物にならないくらい速くなりました。
学校の勉強となると、自分が体験している分つい自分の学生時代を基準に考えてしまいます。
「単語を覚えれば点数を取れるでしょ。」「教科書の本文を丸暗記すれば点数取れるんじゃないの?」「ちゃんと勉強しているの?」
このような声かけをしていませんか。
学校教育というのは時代とともに大きく変わります。今は、本当に英語の勉強が大変な時代です。
そのため、まずはあなたが子どもだった頃の英語教育とは全然違うという意識を持つようにしましょう。
②とにかく連語を覚えさせる
学校の定期テストでは、連語(2つ以上の単語からできている言葉)が出ることが多いです。take care of や be interested in といったものですね。
学校によっては30点くらいこの連語表現を使った問題が出ます。まずは、テスト範囲の連語を覚えるよう促しましょう。
③小学校~中1に習った英単語を徹底的に覚えさせる
中学校の定期テストでは、中3になっても小学校や中1、中2で習う英単語がたくさん出てきます。もっと言うと、たとえ中学3年生でも、定期テストで出てくる英単語の半分以上が小学校~中1で習う英単語です。
そのため、小学校や中1(特に中1の初めの方)で習った英単語をしっかりと覚えるように伝えましょう。
④中1の英文法をやりこむ
中1の英文法でつまずきがあると、中2、中3になってから英語の点数をあげるのはかなり厳しくなってしまいます。
そのため、たとえ今中学2年生や3年生だとしても、まずは中学1年生の英文法を徹底的にやりましょう。急がば回れです。
いかがでしょうか。今、英語ができない、英語が苦手だという中学生が増えています。
授業のスタイルが変わり、覚える英単語数や英文法が増えて大変な現代だからこそ、子どもに寄り添ってあげたいですね。
まとめ
・英語嫌いの中学生が増えている。
・中学校で扱う英文法と英単語が大幅に増えた。
・文部科学省の理想と学校や家庭の現実がズレている。
・連語や英単語、中1の英文法を大事にする。
・英語嫌いの中学生が増えている。
・中学校で扱う英文法と英単語が大幅に増えた。
・文部科学省の理想と学校や家庭の現実がズレている。
・連語や英単語、中1の英文法を大事にする。
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